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ごはんと体の関係性① 朝食のごはんが
脳のパフォーマンスを最大化する?

五ツ星お米マイスター 金子さん
シリーズ1本目「糖質オフダイエットの落とし穴に迫る!「ごはんは太る」の勘違いとは?
では、ごはんが太る要因になっているという、一部、世の中の認識とは逆に、むしろごはんがダイエットに適した食材であることをお聞きしました。ごはんを食べない食生活にはさまざまなデメリットがあるとのことですが、どのような部分がデメリットといえるのでしょうか?
ずばり、脳や筋肉がエネルギー不足に陥り、パフォーマンスが発揮できないという点です。
それは、具体的にはどのようなことですか?
一般的に、私たちが摂取した糖質のうち、「20%は脳」で使われ、「70%が筋肉」で使われます。その他が他の臓器となります。脳が1日に消費する糖質(ブトウ糖)は約400kcalで、エネルギーが不足すると1記事目で紹介したように省エネモードになってしまいます。要するに眠たくなったり、集中力が持続しにくくなったりします。
つまり、勉強や仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼすということでしょうか?
その通りです。仮に1日に1,000kcalの糖質を摂ったとしても、700kcalを筋肉が消費するので、脳が使えるのはたった300kcalしかありません。仮に1,000kcalも糖質を摂ったとしても、1日に必要な量を満たしていないわけです。
例えば、朝ごはんを抜いてしまう人がいますよね?午前中に仕事や勉強が捗らない理由の多くは、糖質不足によるものだと考えられます。食欲がなく朝ごはんが食べられないのは、夜更かしが背景にあり、起きたばかりでは食も進みません。今よりも1時間早く寝て、1時間早く起きてみるのも良いかと思います。時間がない時は、せめておにぎり1個だけでも食べてもらいたいです。
確かに…。昼食後にしばらくしてからようやくエンジンがかかるみたいな人もいますね。
ただ、そうなると午前中の時間が無駄になってしまいますね。学力などにも関わってきそうです。
令和4年度全国学力・学習状況調査で、国内トップクラスの福井・石川・富山の北陸3県は、実は、お米の消費量も多いのです。ごはん食との関係があるのかもしれませんね。勉強・仕事のどちらにおいても、朝から集中して取り組むためには、ごはんをしっかり食べる必要があると私は考えています。
ちなみに、朝食がパン食の方も多いかと思うのですが、パンよりごはんの方が良いのでしょうか?
もちろん、パンも上手に取り入れていけばOKです。昼食やおやつに食べるのもいいですね。寝ている間に体温は下がりますが、朝起きて朝ごはんを食べることで体温が上がります。特に温かいごはんと、みそ汁やおかずを食べることで胃腸の活動が活発になり、身体全体を少しずつ覚醒に導いてくれます。さらに、ごはんは粒食なので噛む回数も自然に増え、ゆっくりと消化・吸収されていき、お腹がすきにくく、腹持ちが良いので、私はごはんが朝食に適していると考えています。

ごはんと体の関係性②身体パフォーマンスを高める
ごはん食の力

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ごはんが脳のパフォーマンスに大きな影響を与えることがわかりました。他にもごはんを摂取しないことによるデメリットといえることはありますか?
先ほども解説したように、糖質の「20%は脳」、「70%が筋肉」で消費されます。糖質不足になると、脳だけでなく筋肉にも悪影響が出てしまい、持久力(スタミナ)も低下してしまいます。
なるほど。運動にも悪影響を及ぼすのですね。
しかも、筋肉にグリコーゲン(糖質のエネルギー)が蓄積されていればいるほど、身体パフォーマンスを長く維持することができます。消耗の激しいスポーツ選手は、最低でも1日の食事の70%を炭水化物で摂らないと筋肉のグリコーゲン量が元に戻らないので、高炭水化物の食事による運動プログラムがスポーツ選手の間で普及しているそうです。「カーボ・ローディング」という栄養摂取の方法がこれにあたります。
部活をやっていたり、身体を動かす仕事をしていたりする人にとっては特に重要ですね。
そうなんです。スウェーデンの学者が行った、持久力(スタミナ)に着目した実験結果によると、「高脂肪・高たんぱく(炭水化物0%)」だけの食事では60分間しか運動が持続できなかったのに、「炭水化物50%・脂肪・タンパク質」の食事では2倍の120分間、驚くことに「炭水化物100%」の食事だけだと3~4倍の運動ができたという結果が出ています。炭水化物をたくさん摂っていると、体内に糖質の蓄えが豊富になるので、スポーツ中に消耗していく糖質がどんどん供給されていきます。これが持久力となります。運動のパフォーマンスと炭水化物にはすごく深い関係があります。脳・身体のパフォーマンスを発揮するためには、毎日ごはんを食べて炭水化物をしっかり摂取することが非常に重要です。

ごはん中心の食生活を目指すなら
この法則!「6:4」のバランスとは?

五ツ星お米マイスター 金子さん
ごはんが脳や筋肉のパフォーマンスに欠かせない食材であることがわかりました。
ただ、どのくらい摂取するのが適切なのでしょうか?
栄養やカロリー計算とか、どのくらい摂取すればよいか、わかりづらいですよね。白米には炭水化物の他に、タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルも含まれていますが、おかずと合わせることで足りない栄養素をバランスよく摂取してほしいですね。タンパク質をみそ汁や納豆などの大豆から、ビタミン、ミネラルを漬物(ぬか漬け)などから摂るといいと思います。理想的な割合は「ごはん6割:おかず4割」のバランスをお弁当箱にイメージするとわかりやすいかと思います。半分以上がごはんです。

料理の組み合せの目安

料理の組み合せの目安 出典:一般社団法人 日本健康食育協会
なるほど。最後に「ごはん6:おかず4」を実践するためにはどうすればいいのでしょう?具体的なやり方があれば詳しく教えてください。
6割がごはん(主食)、残りの4割のうち、おかず(主菜)が1/3、野菜や海藻など(副菜)が2/3、プラス「みそ汁」が理想的です。いつもよりもごはんが多くて驚かれるかもしれません。ポイントは、日頃(平日)はおかずを増やし過ぎず、ごはんをしっかり食べると糖質が不足せず、脳・身体のパフォーマンスを維持できますし、甘い物がほしくなることや間食を減らすこともできます。ただ、長く続けるためにも休日は思いっきり好きなものを食べるなど、メリハリをつけるのが良いと思います。
※主食:ごはんやパン、めん類などのこと。食事の中心の料理です。主な栄養素は「炭水化物」で体の中では
エネルギー源(熱や力)になります。
※主菜:魚や肉、卵や大豆などを主な材料にした料理のこと。主菜は「タンパク質や脂質」を多く含み、体を作るもとになります。
※副菜:野菜やいも、海藻などを材料にした料理のこと。主食や主菜の足りない栄養素を補います。「ビタミン、ミネラル、食物繊維」など体の調子を整えてくれます。
また、たまには雑穀米にして変化を楽しむのも良いでしょう。雑穀には食物繊維などの他の栄養素も豊富に含まれているので、ビタミン・ミネラルを多く摂れますし、つぶつぶ感によってかむことを増やしてくれます。ごはんに混ぜることで相乗効果も得られると思います。雑穀も品質が大切なので、鮮度が高く、栄養素や水分がたっぷり含まれている国産の雑穀がおすすめです。ポイントは水に漬けた時、炊飯釜の中で沈むような雑穀です。

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